理工系の学生であれば大半が悩むであろう、この話題。
結論を言ってしまうと、人に依ります。
ここでは、実際にみなさんが大学院に進学するかどうかを決める際の参考となるよう、
大学院進学のメリットとデメリットをわたしなりにまとめていきます。
大学院進学のメリット
より深い専門性が身につく
大学院進学のいちばんの目的と言ってもいいでしょう。
そもそも大学院とは、その専門についての研究を行うためにいくところです。
当然ですが、学部卒の場合と比べて研究を続ける期間が長くなるので、専門分野に強くなります。
特定の研究をさらに深く続けていきたい場合は、大学院に進学すべきです。
就職活動がしやすくなる
もちろん個人差はありますが、企業によっては大学院生を積極的に採用しているところも多くあります。
また、大学によって、推薦制度がある場合もあるので、就職活動は比較的しやすい環境になるかと思います。
学部卒に比べて初任給が高くなることが多い
これも会社によりけりではありますが、一般的には学部卒よりいいお給料をもらえることが多いです。
学部生に比べて、大学院生は専門性が高いことを想定して採用しているからですね!
時間に余裕ができる
一般的な会社員に比べて、時間の使い方が自由です。
自分のペースで研究を進め、休みたいときに休む。
時間管理がきちんとできる人にとっては、これは大きなメリットではないでしょうか。
大学院進学のデメリット
学費がかかる
当然ですが、大学院に進学すると、その分の学費がかかります。
その分、初任給が高くなる場合もありますが、社会に出る前の段階でお金がかかるということは考えておかなければなりません。
社会に出る年齢があがる
学部卒と比べて、新卒で入社する年齢が高くなります。
就職して数年でもう30歳なんてことも。
学部卒で働いている同級生と比べたときに、貯金やライフステージの差に驚いてしまうこともあるかもしれません。
時間配分を自分で考える必要がある
メリットでは「時間の使い方が自由」と表現しましたが、これはデメリットに働く場合もあります。
研究室では、会社のように定時が決められていないことも多いので、自分でタイムマネジメントを行うことが必要です。
これがうまくできないと、意外と大学院生活は難しいのかもしれません…
わたしの場合
わたしは最終的に大学院に進学しました。
理由は、進学する友人が周りに多いからという、なんとも自分の人生に無責任なもの。
研究自体もそこまで熱心に取り組んでいたわけではないので、進学後はしばらくは、「これでよかったのか」と考えたり、学部卒の友人と比べて焦ったりすることもありました。
ですが、今は進学してよかったなと思えています。
研究室の恩師から、研究をする上での大切な考え方について教わることができたからです。
それは、「正解をすぐに求めない」ということ。
世の中の研究のほとんどは、正解に即たどり着くことはできませんし、正解が存在しない場合だってたくさんあります。
一つずつ条件を変えて地道に実験を繰り返したり、コードの修正を行ったり、試行錯誤を重ねながら最終的な結果にたどり着くことができるのです。
わたしの研究の方法は、正解を絞ってから、それに見合う方法を選択するという、これとはかけ離れた方法でした。
この方法は、世の中の真理を無視した、天才のみに赦される方法だと指摘されたのです。
「社会に出たら、そのやり方では通用しなくなることが出てきますよ。
たくさん失敗できるのは学生のうちの特権です。」
このことに気づくまでに2年もかかってしまいましたが、この学びを得たことが、わたしが大学院に進学していちばん良かったことです。
自分できちんと考えて選択を
大学院進学で悩んでいる方へ
今、大学院進学で悩んでいる方は、他人の動向を探ったり、なんとなく決めたりするのではなく、「自分がどうしたいのか」をきちんと考えて選択してほしいなと思います。
もちろん、大学院進学は人生のゴールではありません。
その先の人生で、どうしていきたいのか、何を目指すのか、そのために大学院進学は本当に必要なのか、ということを一度しっかり考えてほしいです。
余談ですが、大学院進学を決めた場合も、学部のときに一度、就職活動は経験しておくことをおすすめします。
大学院進学後も多くの場合は就職活動に取り組むことになると思うので、場数を踏むという意味でも、この経験は役に立つと思います。
大学院進学したけどぼんやり悩んでいる方へ
大学院にとりあえず進学したけど、なんとなく悩んでる方は、まずは自分の研究としっかり向き合ってみてください。
取り組み方、試行錯誤、失敗することで得られることは必ずあると思います。
どんな環境でも自分の考え方しだいで、吸収できるものはあるはずです。
まずは目の前のものに興味を持つことからはじめましょう。
その上で、自分のやりたいことはこれではないな、と感じたら別の道を選ぶのもいいと思います。
この記事がちょっとでも参考になれば嬉しいです。
それでは!