機械系のエンジニアって、どんな仕事をしているの?
工学部を卒業したら、どんな仕事をするんだろう??
今回は、そんな疑問にお答えしたいと思います!
あくまで、わたしが働いてきた経験に基づく話にはなりますが、
機械系のエンジニアの仕事内容について書いていきます。
機械系エンジニアの仕事
「機械系エンジニアの仕事」とひとくくりに言っても、たくさんの仕事があります。
全体としては、「ものづくり」に携わる仕事なのですが、
どの過程を担当するかによって実際に行う業務は様々です。
代表的な仕事内容を、一つずつご紹介していきます。
機械設計
機械系のエンジニアと聞いて、まずみなさんが思い浮かべるのは、
「機械設計」ではないでしょうか?
製品や設備の製作にあたり、図面を描いて設計する仕事です。
ここでは、実際の製品の形だけでなく、その製品の材料の選定まで行います。
実際に製作されるものを図面に起こすわけですから、創造性が掻き立てられる仕事ですね。
設計の際に、特に気にかけなればいけないのは、「製作過程」と「メンテナンス」です。
図面上は完成されているように見えても、製作過程で工具が入らなかったり、
加工機に固定できなかったりしては実際に作ることはできません。
また、メンテナンスが必要な部分がアクセスできない状態であったり、
配線ができない状況になったりすることも避けなければなりません。
このように、ただ「機械設計」と言っても様々な条件を考慮していく必要があります。
強度計算・構造解析
ソフトウエアやプログラムによる計算や解析なども、エンジニアの仕事です。
実際に設計する前に、その設計で安全上問題がないか、寿命はどのくらいか、
というところまで確認を行います。
特に実際に誰かが触れるもの、乗るもの、近づくと怪我をする恐れのあるものなどは、
安全に関して細心の注意を払う必要があります。
定められた安全基準に当てはまるよう、あらゆる条件を検討しながら計算を行います。
もちろん、人に対して安全であっても、製品自体がすぐに壊れてしまうとしたら、
いい製品とは言えません。
製品の寿命や耐久性、耐熱性などに関しても、計算や解析で確認を行います。
部品加工・製作
実際に、製品を製作していく作業です。
製作は、機械工作機で実際に作業者が一つずつ作る場合もあれば、
機械や生産ラインで行う場合もあります。
前者は、実際に人が行う作業なのでわかりやすいですね。
後者も、実際に生産用機械を作ったりプログラムしたりするのは、エンジニアの仕事です。
設計図に従って、寸法や交差(ずれの許容値)が範囲内になるよう、製作を行っていきます。
そして、製作完了したものについては、測定器で寸法や強度を測定し、
設計図通りに作られているかを丁寧に確認します。
メンテナンス
忘れてはいけないのが、メンテナンス業務です。
製品や設備は、使っているうちに不具合が出てきたり、劣化したりしてしまいます。
新品であったとしても、永遠に使い続けることは、ほぼ不可能といっていいでしょう。
そこで必要なのが、メンテナンス業務。
メンテナンスにも大きく分けて2種類があります。
不具合が出るのを事前に防ぐための定期メンテナンスと、
不具合が起きた際に対応するメンテナンス。
前者は、予め定められた項目を、定められた周期で確認する作業です。
消防設備の定期点検やエレベーターの定期点検などが、これに当てはまりますね。
後者は、そのときの不具合の状態に合わせて対応を行う必要があります。
不具合の原因がわからない場合は、まずは原因の特定のために
様々な条件を試しながら追究していかなければならないので、
根本解決までに時間がかかってしまうこともあります。
研究・開発
新製品の開発にあたり、性能やユーザビリティーを上げるための研究や開発を行う業務。
わたし自身はこの業務の経験はありませんが、
同じ工学部出身の友人が研究や開発の業務を行っているという話もよく聞きます。
最新の技術を考えていくわけですから、高度な思考力や知識が求められます。
自分の研究・開発の成果が、最新の技術・最新の製品につながるんだ!
と考えたら、ワクワクしますね!
機械系と電気系のちがい
機械系エンジニアの仕事とよく比較されるのが、電気系エンジニアの仕事だと思います。
似ているところも一部あるのですが、専門分野が違うので、仕事内容も違います。
ご縁があって、最近は電気系の仕事もしているので、
ここは、けっこう違うな~!
というところを、少しだけご紹介します。
機械図面と電気図面
機械系と電気系では見たり描いたりする図面が異なります。
機械系の図面は、実際の完成品や部品を図に表した図面がほとんどです。
一方、電気系の図面は、制御盤の中身の図面、
配線図、ラダーと呼ばれるプログラムの図などがあります。
もちろん、図面の仕様が異なるので、図面を描くためのソフトウエアも全く異なります。
使用している道具
機械系のエンジニアが作業で使用する道具は、
スパナや六角レンチなどの、ネジの締結に使うような「工具」、
ノギスやマイクロメーターなどの、実際のものを測定する「測定器」
が挙げられます。
電気系のエンジニアがよく使用する道具は、
電流や抵抗を測定するための、「電流計」、
配線の端子をかしめるための、「圧着工具」
などです。
機械系エンジニアの魅力
わたしが、機械系エンジニアの仕事をしていて楽しいな、と思うときは、
自分の設計した「それ」が、実際に「もの」として現われたときです。
さらには、誰かがその「もの」を見て喜んでくれたり、
「もの」自体が誰かの役に立ったり。
そんなときに、仕事をしていて良かったな、と思えます。
ものづくりにおいて、特に大きな企業であれば、
最初から最後までの過程を担うことはそう多くはないのかもしれません。
ですが、自分が過程に携わった「もの」が世に出る瞬間というのは何とも嬉しいものです。
知る人ぞ知る、機械系エンジニアのお仕事。
知ってもらうきっかけになれば、嬉しいです!